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【小論文解答】:2023年/国際医療福祉大学大学/医学部/本試験

 良質かつ適切な医療の提供と若い未熟な医師の育成を両立させる際の、医療安全の確保において最も重要なポイントは「密なコミュニケーションを行うこと」だと私は考える。 
 このコミュニケーションは2つの側面から考えられる。1つは「医療従事者間のコミュニケーション」で、もう1つは「患者とのコミュニケーション」である。まず1つ目について。若い未熟な医師は知識や技術を十分に持っておらず、不適切な判断や処置を行う恐れがあり、それを本人一人で防止することは難しい。若い医師が事前に先輩医師を始め他の医療スタッフと密にコミュニケーションを取っていれば、先輩医師や他の医療スタッフから自分の判断や処置の問題点に気づいてもらえるので、実際に患者に判断や処置を行う前にミスを防止することが可能となる。
 次に2つ目について。若い医師が患者とのコミュニケーションを十分に行っていない場合、患者の意向や選択を十分に理解せずに、医学的な最適解に基づいて処置を行い、結果として患者との信頼関係を喪失し、場合によっては患者のQOLや尊厳を損なう恐れもある。良質な医療とは、単に技術の高さによって成り立つわけではなく、患者の人生観や価値観との擦り合わせによって成り立つ部分が大きい。患者と密なコミュニケーションを行い、患者が何を望んでいるのかを十分に理解していれば、若い未熟な医師であっても良質かつ適切な医療が可能であると私は考える。(595字)
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玄武庵

Author:玄武庵
2014年6月から医系小論文専門の個人ブログとして年間50記事~60記事を掲載。年間ページビュー数約21万、表示回数約90万、主要検索エンジン検索10年連続1位(医学部/小論文/解答)。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツは基本的に無料です。また解答の著作権はすべて「医学部小論文過去問自作解答集」に帰属します。)

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