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【小論文解答】:2023年/産業医科大学/医学部/本試験/Ⅱ

【設問1】
医師の診断の過程における「ヒューリスティックス」の利点は、新しい患者を評価するときや急いで作業をする必要がある場合、あるいは器具など技術的な選択肢が限られている場合に「迅速かつ省略的」に意思決定と対処を行えるということである。患者の状況から即座に「パターン認識」に基づいて不完全な情報に基づく仮説を展開させ、観察結果と蓄積された知識、過去の経験を重ね合わせながら候補を絞り込むことで、素早く症状の原因に辿り着き、治療することが可能となる。
 問題点は「ヒューリスティックス」を行使する際に、医師の内面の状態や緊張が臨床行動に入り込み、判断を誤る可能性があるということである。何らかの原因でストレスと不安のバランスが最適レベルにない場合、知力は焦点が正確に合わず、思考と行動が適切に機能しない。その状態で誤った判断や誤った処置が行われれば、患者の生命や健康に大きな被害や損失を生じさせることになる。(396字)

【設問2】
(※横15.5cm×縦22cmの枠に【図】と【文章】を書きこむ形式の設問。【図】は「ヤークス・ドッドソンの法則」でインターネットを検索すれば出てくるので、それを参照のこと。【文章】は「400字」を想定して記述を行った。)

【図】を見ると、「ヤークス・ドッドソンの法則」が医師の診断に与える影響はかなり大きいと考えられる。診断の最初期は患者に関する情報が少ないためストレスがほとんど発生せず、結果として作業達成能力は低いままである。「ヒューリスティックス」を用いて診断を進めるにつれ、アドレナリンや他のストレス関連の化学物質が生じることで不安やストレスが徐々に増大し、医師本人の「覚醒」を促す。これにより知力が正確に患者の問題点に焦点を合わせ、両者のバランスが最適レベルになると「作業達成能力」は最大となる。しかしアドレナリンや他のストレス関連の化学物質の供給が過剰になると、その影響でストレスと不安のバランスが崩れ、内面の感情や緊張の状態が適正な臨床判断と行動を阻害し、知力が感情によって曇らされるために、診断作業を達成する能力が低下する。つまり「ヤークス・ドッドソンの法則」は医師の診断に大きな影響を与えると言える。(398字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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