オンラインはこれからの地域医療に大きな役割を果たすと私は考える。高齢化の進む地域、過疎化の進む僻地や離島の医療において今後問題となってくるのは、深刻な医師不足下で医療の質をどう維持していくのか、ということである。体力の低下や免許の返納などで来院が困難になった患者へのサポート、在宅医療を望む患者への対処、過疎化で近隣に病院がなくなってしまった僻地や離島の人々の健康管理や治療などを、現在の医師数で賄うのは現実として困難である。加えて医師のワークライフバランスという観点から医師の労働時間の減少は確実である。こうした中で地域に対しての医療の質を維持・向上させるためには、オンラインの有効活用が必須である。
まずオンラインのメリットは「同時性」である。来院・往診において最大のネックとなるのは「移動時間」であり、特に医師にとってそれは対処できる患者数が少なくなるという問題に直結する。オンラインで移動時間を無化するということは限られた時間で効率的に患者を診察できるということを意味する。加えてオンラインには患者の異変に早く対処できるというメリットもある。患者のデバイスから異変の知らせがあればすぐにコミュニケーションも取れるし、データを送ってもらったり画面越しに状態確認をすることも可能である。緊急性の高い場合は即座に患者の居住地の近隣の病院や大きな病院に対処を依頼することもできる。このように、オンラインは医師と地域住民の双方にとって有効なツールであり、医師は積極的にオンラインを活用すべきだと考える。
一方オンラインの活用に際してはハードルもある。例えば高齢者がデバイスを使いこなせない場合はどうするか、データ不足や画像情報の不鮮明さが誤診に繋がるリスクをどうするか、といったことである。こうした問題に対し、医師以外の技術者やサポーター、他の医師等と協力しながら対処していく必要があると私は考える。(797字)
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