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【小論文解答】:2023年/北里大学/医学部/2月6日分

【問1】(※解答例)
ゲノム編集技術の医療応用への利点と問題点(20字)

【問2】(※解答例)
子どもには自分の身体的・体質的な問題を受け継がせないように、子どもの遺伝子を良いものに取り替えたい(49字)

【問3】
 本文では、ゲノム編集技術、中でも「クリスパー」という技術が遺伝子組み換えを飛躍的に容易にし、そのことで受精卵の段階から発症後にいたる難病の根治への道が開けると同時に、人類の改良や強化、さらにはデザイナー・ベビーの作成といった、優生学的な思想の復活につながりかねない計画を実行させる恐れが生じている、と述べられている。
 こうした内容を踏まえ、科学技術の急速な進歩の功罪を、科学の本質としてそのまま受け入れたいと思う。技術は必ず進歩するし、それによって功罪が生じることは避けられない。本文にもある通り、技術の急速な進歩は「技術的には可能でも、倫理的にそれは許されるのか?」という問題を引き起こす。しかし引き起こすからといって倫理的問題を生じさせないために技術の進歩を止めることはできないし、現在の倫理的観点から一方的に他方を否定・禁止することも難しいだろう。科学の進歩が生みだす倫理的問題を、その都度議論しながら倫理の枠組みを更新し、それに基づいて行動していくことが大切だと思う。
 例えば筆者はゲノム編集の「功」として受精卵の段階や発症後の段階において難病の根治が可能となったことを挙げるが、先天的障害や治療困難な状態を「個性」や「アイデンティティ」と考える立場の人も存在する。彼らにとっては筆者の述べる「功」は「罪」となるし、それ自体優生学的発想だと捉えられる可能性もある。逆に脳死臓器移植に関しては、はじめの頃は倫理的な忌避感が強かったが、現在ではそうした忌避感を持つ人は少なくなりつつある。ES細胞や代理母なども、そうした経過を経て医療として定着した。
 医師としては、倫理の持つ相対性や時代性を前提とし、それに人々の生命や健康に奉仕するという医師の使命を重ね合わせつつ、進歩し続ける技術の使用範囲をその都度議論して定め、活用できる部分を最大限活用して人間の幸福に貢献するべきだ、と私は考えた。(794字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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