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【小論文解答】:2022年/国際医療福祉大学大学/医学部/本試験

 AIが医学・医療に与える影響としては、膨大な情報の蓄積に支えられた的確な診断サポート、高度な情報処理能力による医療技術や新薬開発の進歩促進などが考えられる。患者の膨大な検査情報の集積は、特定の症状と検査結果との相関性を的確に指摘するだろう。また画像・処置データの蓄積は、患者を診断する際の医師の人間としての不完全さを補い、見落としや思い違いを防止する。そして膨大な医療データの分析や高い計算能力は、現代の医療技術の改善点やより効果の高い治療薬のヒントを与える。これらは現代の医療の質を飛躍的に向上させ、結果として患者の生命や生活の質を高めることになると考える。
 一方、AIが医学・医療に与える課題としては、患者1人1人の人生観や価値観、生活背景を考慮に入れず、常に「最善解」ばかりを提示し、きめ細やかな患者のニーズに対応した「最適解」を提示できない、ということが考えられる。患者には「データの集積」に還元できない様々な側面があり、それは少なからず医療にも影響を与える。そうした側面は患者との「対人コミュニケーション」によって医師が直接言葉や表情から、あるいは患者との「長い付き合い」から感じ取るものである。よって医師とAIとは、医師の不完全性をAIが補うという関係ではなく、医師とAIとが相互の不完全さを補い合うような関係にある。その意味で医療はあくまでも「人間関係」が基本なのだと私は考える。(592字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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