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【小論文解答】:2023年/大阪医科薬科大学/医学部/前期

※(「必要」の立場でも「否」の立場でもおそらく評価は変わらない。論理性が重視されていると思われる。今回は「必要」の立場で書いている。)

 私は墓を本当に必要だと考える。なぜなら墓とは、残された人々にとって死者当人と交流を続けられる数少ない場所だからである。人は死者の現実世界での消滅を以て、その人との交流を断つわけではない。辛いこと、嬉しいこと、悩むことがあると、人は生者とだけではなく、死者にも語り掛ける。そして時にはいないはずの死者の声を聞き、励ましをもらい、喜びを分かち合う。死者は生者を支える者として、死んだ後も生者の中に生き続けている。その思いを形にしたのが墓ではないか、と私は思う。墓に行くと、人は語り掛ける。そこに死者がいると思うからである。それは幻想かも知れないが、生者はその幻想によって自らの生を支える、いやむしろ自らの生み出した幻想の死者によって自らの生を支えられる。生きるということは、そうした生死を超えた人のつながりによって成り立っている部分もある。それを確認するための場所として、墓は必要なのだと私は考える。(398字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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