私にとっての「自分力」とは「自分にはいいところがある、自分には取り柄がある、と信じて疑わない力」のことである。受験勉強をやっていると、どうしても自分の弱い心と向き合わされることが多い。どうして自分はもっと頑張れないのだろう。どうして自分は誰々より数学ができないんだろう。そうやって自分の人間性や能力のネガティブな面ばかりが見えてきて、それが自分の本質のように思えてしまう。そしてこの認識が自分の頑張る気持ちや頑張る力にブレーキをかける。筆者とは違う形で、私もまたこうした悪循環の中でもがいてきた。
そんな時、ある先生が「自分のことを好きになれないと成績は伸びないよ」と言った。私は咄嗟に「成績が伸びないと自分のことは好きになれません」と返したが、後から考えると先生の言うことは正しいと思った。自分を好きになり、自分に自信が持てないと、努力も能力も不安と自己否定の中に沈んでしまう。しかしどうすれば自分を好きになれるのか。それを友達に聞くと「あなたはお人好しで優しい。本当は頑張り屋さん。気配りもできる。いいところがたくさんある。それを自分で認めて自分の長所だと信じることが大事」と言われた。今回の課題の「自分力」という言葉を見て、まさしく友達から言われたことが「自分力」に他ならないと私は感じた。
私の「自分力」を高めるためには、自分の小さな頑張りや心がけを、そのつど自分で評価して心の中で褒めることが必要だと思う。失敗しても心がけを褒める。うまくいかなくても努力を褒める。その積み重ねが「もっと頑張れる自分」を育て、自信につながる。私はこれからそうやって「自分力」を高めていきたいと考えた。
そしてこのことは、将来自分が医師として患者に対して言いたいことでもある。患者が頑張ってくれたことは大いに褒めて、患者自身のことを好きになって欲しい。そのためにまず自分の「自分力」を磨いていきたい。(792字)
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