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【小論文解答】:2023年/近畿大学/医学部/推薦

 私が医師なら患者のナラティブな人生の固有性と尊厳に配慮し、事実と可能性を誠実に答える。具体的には告知を受けた後の患者のショックや絶望、苦しみや辛さに寄り添い、責任を持って支えることを覚悟した上で、余命1ケ月であることや可能と考えらえる治療法について正確に伝える。事実を正確に伝えることは、患者が自分のこれからのことを自己決定するために絶対に必要である。正しい情報を提供しないことは、患者の適切な自己決定を阻害し、間違った合意へと誘導する。それはインフォームドコンセントの目的に反する。一方事実の告知は患者に大きなショックを与える。告知の際の医師の態度が事務的であったりぞんざいであったりすれば患者は医師に不信感を抱き、事実を述べても適切な合意は成り立たない。述べる側の医師は、患者に対する人間としての共感と、医師として患者を支える誠実さで、患者の苦しみを少しでも軽減させる義務があると私は考える。(398字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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