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【小論文解答】:2020年/近畿大学/医学部/推薦

 高額な薬剤を用いる場合、その使用が本当に患者のQOLや尊厳を改善・維持することにつながると考えられる患者に限定すべきであると私は思う。人の命は平等であるという前提に立てば、投薬によって命を長らえる可能性のある全ての患者に使用するのが当然である。しかしその薬の使用が結果として患者の肉体的・精神的・経済的な苦痛を長引かせるだけで本人の意味ある人生に寄与しないと考えられる場合には適用しない、という選択肢があっても良いのではないか。もちろんそれは国家財政の圧迫の解決といったマクロな問題の解消のためではなく、個人の人生というミクロな次元において考えるのが第一である。平等性の重視が個人の軽視につながることがある、という点をきちんと理解し、さらに当事者である患者の人生観や価値観を尊重しながら、結果として患者にとっても国全体にとっても利益になるような方向でこの問題を解決することが望ましい、と私は考える。(396字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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