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【小論文解答】:2021年/近畿大学/医学部/推薦

 この言葉は、医師が患者を「1人の全人的存在」として扱うことを前提として、そのために必要なあらゆることを学び続けなければならない、という意味であると私は考える。もちろん医師の目的は「患者の治療や回復」なので、そのために必要な医学的知識や技術的知識を教養として持っていなければならない。しかし人間とは「社会的存在」であり、「感情的・意志的存在」であり、かけがえのない生を営む「ナラティブな存在」である。適切な治療やアドバイスを行うには、社会の仕組みや人間の感情や心・価値観に関する知識、生の意味を問う哲学的知識も教養として必要とされるだろう。加えて、再生医療と始めとした科学技術的進歩の中で可能となる治療法をどこまで進めるべきか、それとも止めるべきか、といった倫理に関わる勉強も必要である。こうした勉強によって練り合わされた「教養」が本当の意味で患者を救うのである、と筆者は言いたかったのだと私は考える。(396字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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