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【小論文解答】:平成31年度/佐賀大学/医学部/推薦/問3

    著者はAIとロボットが引き起こす第4の産業革命によって、日本では労働力の49%をAIとロボットに置き換えることが可能となり、労働年齢人口の52%は希望しても就職できなくなると述べている。また労働分配率は5%に減少し、付加価値の残りの95%は資本家に分配されると予想している。そして余剰人員に関しては公共サービス部門での雇用を増やし、AIと調和して生きる方法を模索していくことが重要である、と結論づけている。
 私はこの著者の主張に対し、AIは人間の雇用を喪失させるためではなく、人間の雇用を創出するために用いられることで失業を防止する役割を果たすことができる、と反論できると考える。著者の視点は「現在の仕事がAIやロボットで代替できるか?」という点に置かれているが、逆に「AIやロボットにより、人間の現在の仕事を拡大・発展させることができるか?」という観点で活用することで、人間はAIと調和して生きられると思う。
 例えば高齢化が著しい農業分野において、AIやロボットを用いて身体的負担を軽減しつつ収量と収益を増大させることができれば、高齢者の仕事の維持と若い世代の就農を期待できる。工場労働においても、既存の枠組みを超えた製品開発と製造のシステムをAIに構築させ、人間とAI・ロボットが共存しながら働ける場を作り出すことも可能だろう。著者も述べているように、人は何もせずに金銭的手当てを貰っても幸せになれない。社会の中で人とつながり、仕事を通してやりがいや生きがいを得ることが大事なのである。
 働きたいと思っている人が、仕事を見つけ、続けられるような社会が「人間らしい社会」であると私は考える。AIやロボットにはそれを実現できる能力がある。そして実現のためには、やはりAIやロボットに対する人間の側の「価値創造・役割創造」が重要となってくる。そういう意味で「人が人を活かす」という構造は今も昔も同じであると私は思う。(789字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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