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【小論文解答】:2016年/九州歯科大学/歯学部/AO入試

 「いたわり」「他人の痛みを感じること」「やさしさ」の三つの言葉に共通する一つの根とは「共存」ということであると私は考える。私は一人の人間として生きているのではなく、誰かと共に、誰かのために生き、生かされている。自分の周りにいる他者は、自分の固有の生を演出するためのスタッフではなく、それぞれが固有性と尊厳とを持った一つ一つの尊い命である。こうした認識は生まれた時から身に着けているものではない。自分が学校の中で、社会の中で、他者との共同生活を通して、自覚的に身に着けるものである。
 自分が歯科医師として医療の世界に足を踏み入れることができるのは、自分を育ててくれた両親、必要な知識を授けてくれた先生、ともに競い合った友人、そのほか周りで色々と支えてくれた多くの人々のおかげである。そうした人と人との関係は、私の意識の及ばないところまでずっと繋がっていると考えれば、この世に存在する人は全て私の恩人である。こうした人々は、私と同様に固有の生を生き、かけがえのない尊厳を持っている。私は彼らと「共存」する一人の人間として、誰かのために生きる責務を負っていると言える。
 私が歯科医師として生きるということは、そうした「共存」関係の輪の中で、一人の人間として役割を果たす、ということを意味している。歯科医師を目指す者として、まずは他者に対してこうした認識を持って接することが、「訓練」という言葉の指していることだと私は考える。日頃から他者の言葉に耳を傾け、共感し、自分のできることをやろうとする。自分の利益ではなく、他者の利益のために自分から積極的に行動する。そうした訓練はもちろんボランティア活動等でも行うことができるが、家族との関わりや学校生活の中で、日常的に行っていることの全てが訓練になるのではないか、と私には思われる。そしてその訓練が、患者の治療一つ一つに活かされていくように頑張っていきたいと思う。(796字)

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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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