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【小論文解答】:医師にとっての「忍」とは?(2002年/関西医科大学/医学部/本試験)

 テーマの忍とは「忍耐」のことであると私は考える。つまり医師は様々な場面で「忍耐」を必要とする職業なのである。まず医師は患者の病状について正確に把握するために、忍耐強く患者の話を聞き、検査によって得られた情報を辛抱強く分析してゆくことが重要となる。またなかなか治療法が見つからない場合にも、忍耐力をもって諦めずに有効な治療法を見出すことも要求される。そして良いと思われる治療法に対しては、患者自身ときちんと相談した上で、辛抱強く同意を求めてゆく熱意も必要である。さらに実際に治療を行う際には、たくさんの患者を長時間にわたって治療して行く過酷さにも耐えなければならないだろう。つまり「忍耐」とは、医療を行う際に必須となる資質なのだと私は思う。
 だがこうした「忍耐」は、決して「我慢する」という消極的なものではない。忍という字は分解すると「刃」と「心」になる。温かい心をもって冷静に診察・治療をするのが医師としての忍の本質なのである。患者に対する温かい心を持ち続け、「忍」の一文字を心に刻んで、患者のために貢献できるよう、私もこれから医学を志すものとして一生懸命頑張ってゆきたいと思っている。(491字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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