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【小論文解答】:2013年度/産業医科大学/医学部/本試験

 筆者の述べている通り、本当の権威は努力によって「磨かれる」もので、容易に手に入れることは難しい。まわりの人々にとって、医師はまず医師であること自体が権威であるが、医師自身にとってそうであってはならないことは言うまでもない。医師は自分のうちに医師としての「内的権威」を持ち、それを磨くための努力を絶えず行う必要がある。
 ここで言う「内的権威」とは、医師が医師として持つべき職業意識や誇りのことを指す。具体的には医師として患者の病気を見分け、怪我を治し、幸福にするだけの能力がある、という自信を持っていることである。この自信が高ければ高いほど、自己に課す要求も大きくなる。自分の自信に見合うだけの勉強を行い、技術を向上させる。誰よりも立派な医師であることを自分に課して、誰よりも多くの努力を行い、自己の自信の裏づけを行う。これが「内的権威を磨く」ということである。医師は人の命を預かる仕事である以上、こうした高い志を持って、最大限の努力を行うことが求められている。そしてそれは、将来医師となる私自身の現在にも課せられていることなのだ、と肝に銘じておく必要がある。
 内的権威を磨いた医師は、きっと多くの患者を救い、信頼を得、感謝されるだろう。それだけのことを自分はやったという自負があれば、きっとそうした感謝の言葉も素直に受け入れられるだろう。その日のために私は今から自分の「内的権威」を磨いていきたい。(597字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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