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【小論文解答】:2003年/愛知医科大学/医学部/本試験②

(課題1)
医療保険制度の整備や医療機関・医療従事者数の増大は「いつ病気になっても安心だ」という安心感を生み出さず、逆に「病気になったら大変だ」という不安感を生み出した上に、医療技術の発達が、今まで見過ごされ放置されていた身体の状態を「病気」として掘り起こすために、「自分は健康である」という実感ではなく、「自分は何らかの病気を抱え、いつまでたっても健康になれない」という実感を人々に抱かせてしまう、という状況。(197字)
(課題2)
 現在のわが国の健康ブームには良い面と悪い面とがある。良い面とは人々が自発的に健康を目指すようになったことである。禁煙や禁酒、運動ブームなどは人々の健康状態を向上させ、予防医学的にも大きな効果がある。一方健康食や健康器具ブームなどは、人々が自分がもっと健康になりたいと考える余りの過剰な反応である。しかし本来の健康とは「身体に何の問題も無い状態」を指すのではなく「多少問題があったとしても元気である」状態を指すのではないかと私は思う。現実に完全に健康な人など、この世界にはいない。逆に多少の病気を抱えていても、大抵の人は健康であると言える。そうした健康像をきちんと理解し、自分は健康だという自信を持ってもらうために、医師はこうした健康像について人々にきちんと提示してゆく必要がある、と私は結論付ける。(349字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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