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【小論文解答】:2003年/愛知医科大学/医学部/本試験①

(課題1)
医学は患者の体を科学的な観点から分析し、病そのものを客観的かつ冷静に見つめ、正確な病状診断と的確な治療法を以て患者の健康に貢献するという「サイエンス」の側面を基盤としながらも、繊細な感性で患者の心に触れ、一人の人間としての患者にどのようにアプローチし、タッチするのかを考えながら、退院の瞬間、もしくは生の最後の瞬間まで技を駆使して患者とコミュニケーションをとる「アート」でなければならないということ。(200字)
(課題2)
「心に迫るコミュニケーション」の能力を身につけるには、相手の立場に立って親身に対応することを心がける必要がある。筆者はそれを「母親の、魔法のような手」という言葉で示しているが、その意味するところは、母親が子供のことを心配するように患者のことを気遣い、相手の痛みや苦しみに共感しながら接しなければならない、ということであると私は考える。しかし一方で、相手の痛みや苦しみに共感するためには、その人自身の言葉で、痛みや苦しみを語ってもらい、その内容を的確に理解することが前提となる。つまり相手が本当の気持ちを話してくれるような雰囲気を、こちらの側で作り出さなければならない。それは相手が子供であろうが大人であろうが、一個の人格を持った人間として相手を尊重し、どんな話でも聴くという態度を、こちら側が示すということである。つまり、敬意を持って人に接することを、日頃から心がけることが大切なのだ、と私は結論付ける。(399字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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