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【小論文解答】:2008年/昭和大学/医学部/本試験/選抜Ⅰ期

 高齢者に対して、医・歯・薬・保健医療が協力してケアを行うことの意義とは、高齢者の健康や疾患を、一個人の総体的な健康維持・向上という視点で支えることが出来る点にあると私は思う。何故なら高齢者になるほど体力や抵抗力が低下し、様々な疾患が出やすくなるが、それに対して一面的な対処だけ行ってみても、うまく行かないことが多いと思われるからである。例えば高齢者が胃腸障害で病院に来て治療を受けても、歯が弱くて物が良く噛めないのであれば、歯を治すことなしに胃腸障害を治すことは出来ない。歯は咀嚼の土台であり、消化の良し悪しに直結する。したがって医師は、歯科医と連携して一人の高齢者をサポートすることで、本当の意味で胃腸障害を治すことが出来るのである。これは薬剤師や看護師、PtやOtについても同様であり、こうした人々が医師と連携することで、高齢者をあらゆる角度からケアし、健康を維持することが出来るのである。
 また課題文でも触れられている通り、近年は高齢化が著しい。高齢者の健康を維持することは、高齢者個人の生活の質を高め、人生を有意義に過ごしてもらうために重要であるとともに、寝たきりの高齢者を減らして自立や自活を促し、医療費の増加を食い止めるという点でも重要である。その意味で、これから医療従事者が協力してケアを行うことは必要不可欠であるし、こうした視点を持って治療に当たってゆかなければならないと思う。(596字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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