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【小論文解答】:2023年/聖マリアンナ医科大学/医学部/2月4日分

 まず現状に関して資料1を見ると、先進国および韓国の8か国中、日本と韓国の2国で死因の第1位が自殺であることがわかる。また死亡数について、日本はアメリカに次いで2位である。そして死亡率については、日本と韓国が共に16.3%でトップ、次にアメリカ、カナダの順であり、死亡率の低いフランス、ドイツ、イギリス、イタリアと大きな差があることがわかる。死亡者数に関しては各国の総人口数に差があるので一概には比較できないが、日本は韓国同様、先進国の中では自殺する傾向が高いと結論づけられる。
 自殺の原因は色々想定できる。その中で学校でのいじめ、家庭でのトラブル、恋愛トラブル、そして健康問題などが主なものとなると考えられる。健康問題を除けばその大半はいずれも「人間関係」の不全が原因であり、それが当事者の精神状態に悪影響を及ぼして「自殺」へと向かわせる。そういうプロセスが日本において顕著なのだと私は考えた。
 次に対策に関して資料2を見ると、「ゲートキーパー」への参加を促すものとなっている。資料から推測すると「ゲートキーパー」とは周りの人の自殺の兆候に気づき、気にかけ、必要なら声をかけ、話を聞き、専門家との経路を繋ぐ、いわば「自殺の門に立ち塞がる門番」のような役割であると推測できる。こういう役割の人が周りにいることで、若年層の自殺を防止できる、というのが資料2の意図だと思われるが、私も全く同感である。
 学校でのいじめや家庭でのトラブルに関しては、周りに相談できる相手が存在しないために当事者が悩みを1人で抱え込んでいる可能性が高い。確かに現在はSNSなどを通じて若年層が他者と繋がる機会は数多くある。しかしそうした機会の濃密さに反して、深刻な問題を打ち明ける相手が少ない、ということもあるだろう。また周りの人間も、他者に干渉しないことが相手を「尊重」することだと考える傾向があり、異変に気づいても声をかけづらい、ということもあるだろう。
 しかしこれからは自分も「誰かを救える存在」だという意識を持って相手に寄り添い、支えていくことが必要なのだということをこの資料を見て考えさせられた。もちろんゲートキーパーとしての自覚だけでは相手を支えられない。相手が話しやすい雰囲気づくり、声のかけ方、対応の仕方など、きちんとした知識が求められる。私もそうした学習を積んで誰かの命を支えていきたい、と考えた。(989字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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