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【小論文解答】:2022年/久留米大学/医学部/推薦試験

 地域医療を担う医師の養成に関して必要だと思うのは、医学部入試で設けられている地域枠や県枠などの募集人数を増やすことである。医学部がこうした指針を示すことは、医学部を目指す学生が地域医療に関心を持つ契機となり、地域医療に貢献したいと考える学生の母数を増やすことにつながると考える。
 次に思うことは、現在医学部で進められている早期臨床研修の対象に地方の病院を加えることである。現在、早期臨床研修は主として大学病院もしくは系列病院で行われているが、医学生のはじめの段階で地域医療の現状に触れ、そのやりがいや地方からの期待を感じ取ることが地域医療への意欲につながると考えるからである。もちろん、そうした研修が地方病院の負担にならないよう、事前の研修と知識・スキルの確認は必要である。しかし地域医療の現場で働く医師の姿に直接触れることが、自分もそうした医師になりたいという意欲を生む可能性は大きいと考える。
 そして地域医療を担う医師の確保に関して必要だと思うのは、現在医師の資格を持ちながら就業できない人材の掘り起しである。特に女性医師は、結婚・出産・育児との両立が困難だという理由で医業から離れることが多い。これに対して、両立が可能となるような就業システムや設備の改善を行うことで、就業の維持、医業への復帰を可能にしていくための工夫が求められる。もちろん育児に関しては女性だけでなく男性も参加できるよう、男性の側の働き方の改革も必要となる。
 次に思うことは、地域医療に貢献したいと思っている学生や医師、そして実際に地域医療に従事している医師の間での、縦と横のネットワークの構築である。どれだけ地域医療への意欲が高くても、実際には色々な困難が生じ、意欲を失いそうになることもあるだろう。そうした時に縦と横のネットワークを通じてチームのように支え合うことで、意欲を取り戻すこともあるのではないかと考える。(793字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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