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【小論文解答】:2023年/昭和大学/医学部/2月11日分

 AⅠ技術の活用により、医師の仕事は個別的な人間へのよりきめ細やかなサポートへと変化すると私は考える。従来の医師を分類すると、会話を通した情報収集、機器を用いた検査、病気や怪我の状態の判断、判断を踏まえた治療や処方の4つの要素に分けられる。AⅠはビックデータの提供や患者の状態との照合を通して情報の精度を高め、高い分析力に基づいて検査精度を向上させる。この情報と検査の精度向上が精度医師の判断・治療・処方の精度向上に大きく貢献し、患者は生命や健康の質を従来以上に高められる。
 医師はこうしたAⅠの利点を最大限に活用し、AⅠとの協働によって医療の質を高めていく必要がある。問題文は「AⅠが医師の診断率を上回る」点を指摘しているが、それは情報収集と検査能力に関するAⅠの優位性によるものであり、医師がAⅠとの協働を進めていけば医師の診断率もまた向上する。むしろこれからの医師は、情報収集と検査の面での医師の負担をAⅠで軽減させ、軽減した分を患者との対話や五感を通した患者の表情や態度の分析に割いて人間同士でしか得られない情報収集に努めることで、AⅠにはできないきめ細やかな診断や治療・処方を行うことが求められていると私は考える。医療行為の責任の主体は人間としての医師であり、患者は人間としての医師を信頼して治療を受ける。AⅠとの協働によってその信頼を高めることが医師の役割だと私は結論づける。(592字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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