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【小論文解答】:2023年/昭和大学/医学部/2月12日分

 現在の日本の医療が抱えるダイバーシティに関する問題点として私が考えるのは、医療勤務体制自体が基本的に過酷であり、そうした体制に対応できる男性が医療の中心として活動せざるを得ないということ、医師以外の社会経験を経てきた人やある程度年齢を重ねた人が途中で医師になるための機会や間口が少ないこと、そして現在増加しつつある外国人の旅行者や居住者を対象にした医療体制が十分に確立していないといったことである。これらの問題は医師の側にとって患者数の増加に伴う医師不足、女性医師のキャリアの充実の阻害、男性医師の負担増加などをもたらし、日本の患者にとって医療機会や医療の質の低下に対する不安を、外国人にとって日本での旅行や居住に対する不安をもたらす。
 次に医療におけるダイバーシティ推進の具体的な内容としては、女性医師が継続して勤務しやすい勤務体制および勤務時間の再考、育児に関するサポート体制の整備、医療の世界に遅れて入って来る人たちへの機会の増加やサポートの充実、外国籍の医学部生や医師の受け入れ枠組みの拡充などが挙げられる。こうした対策を行うことで医師の数が増加し医師の肉体的・精神的負担が軽減して医師としてのキャリアと1人の人間としての生活の質を両立できるようになる。そして患者の側は医療の質ときめ細やかさが担保され日本人外国人を問わず安心して日本で暮らせるようになる、ということが期待できると考える。(597字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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