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【久留米大学】:演習問題『医師の働き方について』

 医師の使命は患者の生命・健康・人生・幸福を支え守ることであり、基本的に患者からの要請があればいつでも対応する必要がある。その意味で医師は二四時間三六五日医師として患者と向き合うことが求められている。しかし現在の医師不足・患者過多の状況下においてこうした姿勢で医療に従事することは過剰なストレスや過労による疾病などを招き、医師個人の健康やQOLを低下させるだけでなく、患者の診断や治療に際してミスを増加させる原因にもなる。またこうした過酷な状況は女性医師の継続的な就業を困難にし、医師不足の解決を遠ざける。よって長時間労働を防ぐための積極的な対策が必要となるが、それは患者の患者への医療の質を低下させるものであってはならない。現在の医師の負担を軽減しつつ、医療の質と医師の人生の質を両立する方策が必要であると思われる。
 将来医師を目指す者として最も重視すべきなのは、早期臨床研修制度であると私は考える。もちろん臨床現場で生身の患者を診断・治療するためには高いレベルの知識と技術が前提となるが、早くから臨床の場に赴き、先輩医師や医療スタッフの協力ものと、現場で経験を積むことで、臨床の場で働く医師の負担を軽減できる。こうした形での医療への貢献が現在の医学生に最も求められていることだと私は考えるし、私もその一人として緊張感と覚悟を持って臨めるようにしたい。
 またそれ以外にも、二〇二四年に施行される医師の働き方改革での医師の労働時間短縮や健康確保に関する指針は、過剰な労働を抑制する制度上の根拠として非常に重要であるし、医師の一部業務をコ・メディカルの人々へと拡大することも医師の負担を軽減するためには有効である。こうして医師の負担の軽減が学生の自覚を高め、女性医師のキャリア維持を可能にし、患者の医療の質の向上にもつながることをよく理解して、私は自分のできることを行なっていきたいと考える(792字)

(※久留米大学は「縦書き」なので、数字は縦書きの仕様に合わせて記述を行っている)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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