5年後の自分は、慶応大学の医学部で内科医になるための勉強を続けている。あえて最難関の大学を選んだ自負はまだ消えていない筈なので、大学での厳しい授業や実習にきちんとついていっているだろうと思う。実際に患者と触れる機会も多くなるので、医師としての自覚も、入った時よりはっきりと持っていることだろう。大先輩である先生方、勉強や部活を共にする仲間や先輩、後輩にも支えられて、人間的にも成長していると考える。
15年後の自分は、大学を出て9年目の中堅医師になっている。地方の総合病院の勤務医になることを目標としているので、15年後はおそらくそうなっていると思う。医師としてもある程度の経験を積み、患者にとって最善の治療を自信を持って決断できるようになっている筈である。新しい技術の習得と目の前の患者の治療との両立に苦しみながら、さらに先輩の医師に教えを乞いつつ、医師としての成熟への道を模索していると考える。
願いがかなわなかった20年後の自分は、雑誌記者として活躍していると思う。意外かもしれないが、物事の真実を見極め、本当に必要なことを命を賭して伝えようとすることと、患者の病気の本質を見極め、本当に必要な処置を全力で行うこととは、基本的に同じである。人の幸福のために貢献するという意味で、雑誌記者は悪くない。しかし、願いがかなわないことはないので、年数のずれはあっても、私は内科医になっている筈である。(594字)
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