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【小論文解答】:2022年/東北医科薬科大学/医学部/本試験/1日目

 このグラフから読み取れるのは、自殺の原因には経済と健康が大きく関与しているということ、そして最近の自殺者の増加にはコロナが大きな影響を与えていることである。
 まず平成24年から令和元年にかけては、自殺者の総数が一定の減少を続けていることがわかる。その理由として考えられるのは、日本が経済的に安定していたこと、そして医療技術の進歩により高齢者の健康不安がある程度解消に向かったことである。経済が安定すると失職が少なくなり、経済的な困難に陥る可能性が減少する。これが30歳代から50歳代の自殺数の減少をもたらしたと言える。また高齢者は健康に不安を抱えている人が多いと考えれば、医療技術の進歩がそうした不安を解消し、60歳代以降の自殺者数の減少につながったと考えることができるのである。
 そして令和2年より、自殺者数は微増の傾向にあるが、その内訳を見ると増加したのは主として40歳代と50歳代で、60歳代では減少していることがわかる。これはコロナウイルスの影響で経済活動が低迷し、閉店や失職が増加して経済的困難に陥った層が増加したということを意味すると思われる。一方で60歳代の自殺者数が低下したのは、コロナウイルス感染防止のために外出を控えたり、マスクを着用したりすることで、感染症から健康を悪化させるリスクが減少し、自殺に追い込まれるほど健康に不安を持つ60歳代の層が減ったことが原因だと推測できると私は考える。(594字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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