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【小論文解答】:2021年/東北医科薬科大学/医学部/本試験/2日目

 誰もが安心して暮らしていくために必要なバリアフリーには「物理的なバリアフリー」と「心理的バリアフリー」の2つがあると私は考える。これを「私自身が行うことのできるバリアフリー」という観点から捉え直してみると、まず重要なのは自分の中の「心理的バリア」を取り除くことだと考える。様々な病気や怪我、障害のために社会参加が困難な人に対して、私はどこか「特別な人」「助けの必要な人」という見方をしているように思う。しかし彼らは同じ社会を共有する「対等な存在」であって、彼らへの配慮も「当たり前」のように行われるべきである。「弱い人を支える」と考え、相手の意向も確認せずにすぐにサポートしようとするのは「心理的バリア」のもたらす「おせっかい」へと変化する。そうではなく、対等な存在として「彼らが望むことを行う」ことが大切である。
 一方私にも可能な「物理的バリアフリー」も存在する。彼らが困っている時に声をかけて、彼らの困難を解消する手助けをすることはもちろん重要であるが、点字ブロックの上にものを置かない、スマートフォンやヘッドホンで自分の視覚や聴覚を遮って視覚障害者や聴覚障害者の通行の邪魔をしない、列車内で大きな荷物を入り口近くに置いて車椅子の方の出入りを邪魔しない、といったことも、「物理的バリアフリー」に貢献する。こうしたことを意識して日頃から生活することで積極的にバリアを取り除いていきたいと思う。(596字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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