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【小論文解答】:2007年/岩手医科大学/医学部/本試験

 現代における家族は、コミュニケーションを行う機会が非常に少なくなっていると思う。家族を構成する一人一人が「自分の時間」を持ち、「自分のやらなければならないこと」を優先させるようになったと同時に、他の家族の「個人としての時間」を尊重し、だんだんとお互いが顔を合わせないようになった。それは一見お互いを思いやっているように見えるが、一方で相手への関心が薄れたとも考えられる。特に親は、時には子供の自由を奪ってでも子供を守り、大きな愛情で子供を包み込まなければならないのに、そうした愛情を確認する場所である「家庭」を作れないために、子供は「家庭」を失い、ホームレス化してゆくのではないかと思う。家に帰っても親がいなければ、それは「家庭」ではない。
 私の家族は、夕食を共に食べることが強制されていた。父親がどんなに遅くなっても帰りを待ち、一緒に夕食を摂った。今思えば、それは一日一回家族が「家族」であることを確認する作業であり、親の重さを子供が確認する場でもあったと思う。そうした意味で、現在ホームレス化が進んでいる子供が、再び「家族」の元に戻ってくるためには、親の努力は絶対に必要である。親が絶えず子供に関心・愛情を持ち、親としての責任を子供に示すような機会を必ず設けなければならない。それが食事でも団欒でも構わない。そうした場を通して、子供は安心できる避難所としての「家庭」を信頼するのだ、と私は考える。(597字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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