〔問1〕
患者の意向に従順で、患者の気に入るように診察をし、見通しを立て、養生法を考え、治療を行うような態度。(50字)
〔問2〕
科学的医学を習得した医師が医療の専門職として患者よりも社会的に優位に立ったことにより、治療の主体は医師となり、患者は医師によって管理された空間の中で、医師の指示に従い、生死を左右される存在となった。(99字)
〔問3〕
現代における医師と患者の関係をめぐる諸問題は、知識的に優位となった医師が治療の主体である患者とどう向き合っていくか、という問題として考えることができる。医師は知識的に優位であることを根拠にして、患者のナラティブな生や尊厳、QOLを無視して治療を行うべきではない。患者を医療の主体と捉え、その人生を支えることが使命であると考え、そのために自分の知識と技術を用いなければならない。しかしだからと言って、本文にあるような科学的医学以前の医療同様に「何もかも患者の希望通りにする」のであれば、それは患者の意向を尊重するように見えて、実は自分の職責を何も果たしていないことになる。この問題は「対話」によって解決の可能性が生じると私は考える。医師も患者もそれぞれの立場から自分の思いや考えを伝え合い、信頼関係を構築することで、相互の意向がともに尊重され、医師の職責と患者の尊厳が両立する道が開かれると私は思う。(399字)
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