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【小論文解答】:2010年度/杏林大学/医学部/センター利用1日目

 私は「シルバーシート」は現在のあり方で良いし、これからもっと増やしてゆくのが良いと考える。なぜなら私にとって、「シルバーシート」とは人々の「譲り合いの気持ちの結晶」であると言えるし、将来の高齢者の増加やノーマライゼーションの更なる普及によって、「シルバーシート」の恩恵に与る人はますます増えてゆくだろうと思われるからである。
 現時点に置いても、「シルバーシート」には多くのメリットがある。まず高齢者や身体の不自由な人にとっては、そうした席があらかじめ確保されていることが、大きな安心感を与える。自分たちのために健常者に席を譲ってもらうという行為は、彼らにとって気が引けることであるし、だからと言って我慢して立っていれば、その苦痛は健常者よりはるかに大きいはずである。彼らの身体的・精神的苦痛の軽減に、「シルバーシート」は役立っている。また、席を譲る側にとっても、席を譲るかどうかの精神的葛藤から解放されるという意味で、さらに通常の席を譲って断られるといった不本意な経験をせずに済むという意味でも、「シルバーシート」があることのメリットは軽視できない、と私には思われる。
 確かに「シルバーシート」が存在することで、健常者が譲り合いの気持ちを失ってしまうという意見もあるし、「シルバーシート」の役割を重視するあまり、そこに誰も座っていなくても健常者が座ろうとしない、といった過剰なケースも実際に見受けられる。しかし譲り合いの気持ちはいつでも必要であるという社会的同意を教育やマスメディア等で形成すれば、弱者に対する無関心は軽減するはずであるし、「シルバーシート」の役割を「みんなのトイレ」と同様のものと再定義することで、基本的にみんなが使用可能なものとして、人々がその席を活用することもできるはずである。大切なことは意識の変化であり、「シルバーシート」が存在することはそれ自体として全く問題ない、と私は結論付ける。(792字)
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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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