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【小論文解答】:コロナ下での在宅医療について

 コロナ下における在宅医療では、患者のQOLの維持向上とコロナウィルスへの感染防止の両立が重要な課題となる。体が弱って来院できない患者、あるいは自分の住み慣れた家や家族のいる家で最期の時間を過ごしたいと考えている患者に、最後までQOLの保たれた納得できる人生を送ってもらうために、医療スタッフを始め、介護関係者、自治体関係者、近隣の方々、そして家族による緊密な連携とコミュニケーションが必要となる。
 だが一方で、こうした関係者のすべてが家の外部からやってくる人間であり、それゆえに外部からコロナウィルスを持ち込む可能性のある人間となる。関係者を通して患者がコロナに感染した場合、高齢かつ衰弱した患者に対して生命に関わる重大な影響を与える恐れがある。しかしだからと言って、患者を感染させないことばかりを重要視し接触を控えて充実したケアやサポートができないと、患者のQOLは著しく下がり、患者が在宅医療を選択したことの意味がなくなってしまう。感染要素を極力排除しつつ、以前と同じような水準のケアやサポートを維持するため、関係者の工夫が求められると私は考える。
 基本的には、関係者の厳重な健康管理が最も重要である。体調に異変がある場合にはもちろん患者の家には行ってはならないが、そうした場合にすぐに代わりの人がサポートできるように、関係各分野で密接に連絡を取り合っておく必要がある。また家に入る際のマスク・手洗い・消毒などを徹底して行い、患者の家へのウィルスの侵入を防止することも必須である。さらに医療に関してはこれまで以上にリモートシステムを利用し、直接接触の頻度を減らしても体調管理や異変時の対応が可能な状態を構築する必要があるだろう。
 いざとなったら医療のサポートがある、という安心感は在宅患者にとって最大の支えである。コロナ下でもその期待に沿える医療を目指していくことが大切だと私は考える。(792字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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