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【小論文解答】:2022年/杏林大学/医学部/一般選抜/2月1日分

 「組織と個人」は相補的な関係であると私は考える。「みんなは1人のために。1人はみんなのために」という言葉があるように、組織は個人を支えるために組織としての努力を行わなければならないし、個人は組織がうまく機能するために組織における自己の役割を適切に果たさなければならない。両者の関係がうまくいっている時には組織も個人も幸福になれる。組織だけまたは個人だけが自己の利益のために他方を犠牲にする場合、あるいは両方が互いに相反関係にある場合はどちらも幸福になれない。社会が上手くいくためには、組織と個人が行動こうしたあり方をきちんと理解して行動することが必要である。
 医療においてもこれと同じことが言える。その典型が「チーム医療」である。チーム医療においては医師、看護師、検査技師、他の医療スタッフが1つの「組織」となって患者に対して最善の医療を試みる。その際、組織が個人の意見に耳を傾けず、組織の論理を個人に押し付けることがあれば、患者に関する重要な知見を得られずに、結果として患者に不利益を与える恐れがある。逆に個人が自己の利益を優先して自己の果たすべき役割をないがしろにしても、組織はうまく機能せず、結果として患者に不利益が生じるだろう。
 こうした関係を最もよく理解しておかなければならないのがチームリーダーたる医師であることは言うまでもない。医師はチーム、すなわち「組織」をまとめ、治療方針を決定し、その方針に基づいて患者に最善の治療を行う責任と義務がある。しかし医師はあくまでもチームの一員、つまり「個人」であり、関係としては他のメンバーと対等である。その医師が「組織」の代表としてメンバー1人1人の意見に耳を傾け、それぞれの立場に配慮しつつ「最善の治療」という目的のためにチームをまとめる。同時に「個人」として組織のために自らの役割を適切に果たす。そうした関係を築くことでチームもスタッフも患者も幸福になれるのだと私は考える。(813字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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