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【小論文解答】:2022年/獨協医科大学/医学部/本試験(2月12日分)

【問1】
教養とは自発性・主体性に基づいて学び、身についたものである。教養は人々が幸運な人生のうちにある時には人の精神を秩序付け飾り立てる。一方困難な状況に陥った場合、教養は自らの心の内にあって自分を守るもの、賢い選択をして困難を克服し人生を豊かにするための命綱として機能する。そして教養の本質は人生の選択肢を選択肢として認識し最善の選択を支えるための能力、つまり「人間の根」としての底力の方にあるのである。(199字)

【問2】
 教養が人生の選択肢をそれとして認識し、その上で最善の選択を支える能力だという筆者の意見は正しいと私は考える。一方でそうした能力を自分一人の「教養の器」で賄い切るのは難しいのではないかと私は思う。例えば自分の病気に対する治療法の選択の際に、自分の手持ちの教養だけで最善の選択を行うのは難しい。そうした時には医師などの持つ教養の力を借りて自分の教養を補完し、それに自分なりの人生観や価値観を組み合わせて選択を行うことが望ましい。つまり「人間の根」は下の方で「他の人間の根」と繋がることで初めて機能する。教養とはそうした意味で「総合知」に近いものなのではないかと私には思える。さらにこの考えを広げるなら、教養は自分の人生を豊かにするためだけではなく、他者の人生を豊かにするためにも必要だ、ということになる。もし「医師の教養」と呼べるものがあるなら、おそらくそういう教養のことではないか、と私は考えた。(397字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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