新型コロナウィルス感染症で自分の肉親が亡くなった場合、肉親に対する親密な思いと感染防止のバランスをいかに取るかということが問題になってくる。例えば亡くなった両親に対して、私なら手を握ったり、顔を触ったりして、声をかけながら思いを伝えたい、という気持ちがある。しかし亡くなった肉親がくしゃみをした手で自分の顔や手に触れていた場合には接触感染が生じてしまう。よって厚生労働省や病院・施設の方針に従って、ガラス越しに対面するか、亡くなった肉親の顔や身体の消毒をしてもらいマスク着用で対面するか、防護服を着用の上で対面する、といった形で肉親との最後の大切な時間を過ごすことができれば有難いと思う。
また葬儀に関しては「参列者からの感染を防止する」および「参列者への感染を防止する」という2つのことを念頭に置いて対処することが求められる。まず参列予定者で体調の悪い人、熱のある人、感染者が多い地域に居住する人には参列を控えてもらう。その代わりにリモートで葬儀に参加できるシステムを準備しておき、その人の悼む気持ちに応えられるようにしておく。また葬儀に際して参列者にはマスクと手洗いの遵守をお願いした上で、密閉・密集・密接という3密状態を作らないように工夫を行う必要がある。またこれまで慣例となっていた会食等も控え、葬儀の時間も短くするべきだろう。
一方で、こうした亡くなった肉親との非接触や葬儀の簡素化が、遺族である私や家族、参列者の「悔い」「無念」とならないように、葬儀以降も亡くなった肉親と関わりのあった方々と肉親を偲んだり、気持ちを支え合う機会を設けたりしていくことができればと私は考える。(695字)
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