人工知能の医療への応用は今後ますます広がっていくと私は思う。なぜなら人工知能を医療に応用することで医療の質が向上し、その結果患者の生存・治療可能性やQOLが向上するからである。現在でも人工知能は医療の様々な分野で活用されている。例えば人工知能の蓄積している患部画像のビッグデータ解析の結果を応用することで、画像診断による疾患の見落としが減少し病変の早期発見の可能性も高くなった。また問診情報やカルテの内容に関するビッグデータ解析の結果の応用は、診療時の疾患特定の精度の向上、問診時間短縮による患者の診察時間・患者との対話時間のこれまで以上の確保をもたらした。こうしたことは治療を行う医師にとっても治療を受ける患者にとってもメリットであることは明らかである以上、医療における人工知能の活躍の場はますます増えるであろう。
一方で人工知能を活用する際に気をつけるべきこともいくつかある。まず人工知能の扱う情報には重要な個人情報も含まれるため、漏洩やハッキング対策はもちろんのこと、情報を扱う医療者のモラルも重要となってくる。また人工知能も「機械」である以上、誤作動や誤判断等が発生する可能性もある。それを防止できるのは人間だけなので、医療者は人工知能の情報に対する確認・監視を行う必要がある。また人工知能は自らの判断やトラブルに対して「責任」が取れない。その意味であくまで人間である医療者が「医療の主体」であり「最終責任者」であるという自覚を持って医療に取り組まなければならない。
そして最後に、人工知能がどれほど医療において活躍の場を広げても、人工知能は医師や医療者に取って代わることはできないと私は思う。なぜなら医療は人間と人間との「信頼関係」によって成立していると考えるからである。私は将来、医療の責任者であることを忘れずに、人工知能の助けを借りてより良い医療を患者に提供できるよう努力したい。(794字)
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