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【小論文解答】:2019年/帝京大学/医学部/本試験

〔1日目〕
 医療従事者が外国人患者に対してすべき配慮として、私はコミュニケーションの向上と文化・宗教観の理解の2つを挙げる。まず医療従事者が気をつけなければならないのは不十分なコミュニケーションがもたらす「誤診」である。相手の身体的不調を適切に診断するためには多言語に対する知識とそれを使いこなす語学能力が必要である。翻訳アプリなどの助けも大事だが、自身の語学力を可能な限り向上させるべきである。また外国人患者によっては、文化・宗教観のために日本ではありふれた治療であっても不可能な場合がある。医療従事者はそうした文化・宗教観の問題を熟知し、患者自身に確認した上で、適切な医療を行うことが必要だと私は考える。(298字)
 
〔2日目〕
 技術の進歩や医療の効率化の中で、あえてコミュニケーションを学ぶことが重視されているのは、やはり医療が患者の命を預かる仕事だからであると私は考える。患者の病気を適切に診断し、治療を行うためには、単に身体的側面を分析するだけではなく、患者の人生や価値観に関するさまざまな情報を必要とする。その情報を得るためには医療スタッフと患者という「人間的コミュニケーション」が必須となるのである。また患者が医療に求めているのは単なる身体の治療や回復ではなく、自分の苦しみを理解・共感し、励まし支えてくれる人間としての「心の通い合い」を通した治療活動である。それらを実現するためにはコミュニケーションが必要である。(298字)

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玄武庵

Author:玄武庵
2014年6月から医系小論文専門の個人ブログとして年間50記事~60記事を掲載。年間ページビュー数約21万、表示回数約90万、主要検索エンジン検索10年連続1位(医学部/小論文/解答)。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツは基本的に無料です。また解答の著作権はすべて「医学部小論文過去問自作解答集」に帰属します。)

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