2013年度以前は30分400字で易しいテーマ型の出題であったが、2013年度から突如課題文型へと変更し、時間も50分に拡大してやや難易度の高い課題を出題するようになった。もともとこの大学は、他の私立大医学部を受ける際の「滑り止めに近い併願校」として、多浪生に重宝されてきた大学であった。小論文に関しても特に得点化はされておらず、「普通の人間」であることの確認程度の意味しかなかったように思う。
川崎医科大学が突如小論文の(そして後述するが面接の)レベルを上げた背景としては、「より医療人としての人間性を有する人材が欲しい」という思いがあると考えられる。卒業して医局で働くようになった研修医の態度があまりにも悪く、患者から色々クレームがあった、ということを(確定ではないが)情報として聞いているが、これが遠因となった可能性が高いのではないかと思われる。
小論文のレベルアップと連動して、面接の意義付けも大分変わり、それまでほとんど重視されてこなかった(ということは実質1次試験の結果で合否は大体決まっていた)はずの面接が、強烈な圧迫を伴うものへと変化している。ということは、小論文・面接ともに、これまでとは全く異なる「加点基準」を伴う形で実施されている、と考えて間違いないだろう。
また、川崎医科大学には付属高校があり、ここから推薦等で医学部へと進学する生徒はかなり多い。当然相当甘めの評定の元に進学させているはずであるから、せめて外部から入学させる学生は、出来るだけ質の高い生徒が欲しい、という思惑もあって、このような現状に至っているのではないか、と私は考えている。
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