日本が世界有数の長寿国となった原因として考えられるのは、まず医療の進歩である。医療とは、診断・発見、治療、投薬の三つが挙げられるが、日本においてはこれら全てに置いて世界最高水準の進歩を遂げている。最新の機器で病巣を発見し、最新の治療技術で手術を行い、新しく開発された薬を用いて病気を治すことができる。こうした医療の進歩により、以前では治療不可能であったり、手遅れであった病気から回復するためのプロセスが確立している。昔は亡くなっていたはずの人が、元気に生きていられるのである。
次に考えられるのは、公衆衛生の充実である。上下水道が完備され、きれいな水がいつでも手に入ることは、感染症拡大の可能性を大幅に減らす。食品衛生についての意識も高く、経口摂取による感染を未然に防いでいる。また、ごみや汚物を回収するシステムも整備されている。これらは、抵抗力の弱い高齢者の感染症による死のリスクを減らしている。
さらに、疫学的調査に基づく健康指導も、長寿化に大きく貢献している。日本人は若い頃から減塩・節酒・適度な運動が健康にもたらす好影響を、メディアや啓発のための講演会等を通してよく理解し、意識的に自己の健康管理を行っている。これにより脳血管疾患や心疾患、糖尿病を原因とする種々の生活習慣病による死亡の可能性が大きく減少した。こうした要因が複合的に作用することにより、日本は世界有数の長寿国となったのである。(595字)
※本来は400字の問題を600字に改変している。
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