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【小論文解答】:2011年/北里大学/医学部/本試験(1日目)

(問1):終末期における正確な情報提供の重要性(18字)
(問2)
患者の持つ往生際のイメージを訂正し、終末期においてどのような治療や介助が必要になるのかについての正確なイメージを提供した上で、患者自身にとって適切な選択が出来るように配慮した説明をすべきと考えている。(100字)
(問3)
 医療現場でなされるインフォームド・コンセントに関して、私が必要と考える第一の因子は「事実を伝える」ということである。何故なら病状や治療方法および予後に関して、医師の側で意図的な選択を行わず、患者にとって有利な情報も不利な情報もきちんと提示することで、患者が選択を行うための「公平性」を確保する必要があると考えるからである。これは患者が自己の事実を知る権利を尊重するという意味で、最も必要なことである。
 そして第二の因子は「分かりやすく伝える」ということである。医師の持つ医療情報は基本的に難解であるが、それをそのまま伝えても患者が理解できなければ情報を提供したことにはならない。しかも患者は医師の情報からしか、治療や終末期の選択が出来ないのである。従って患者が理解できるように易しく言い換えたり、図を用いたり、用語の説明を丁寧に行うことは、患者の人生を左右する重大事である、という認識を持つ必要がある。
 最後に第三の因子は「患者のQOLを常に意識する」ということである。患者の選択は、患者と医師との質疑応答によって協同作業的になされるものである。患者自身にとって何が最良の選択なのかは、患者自身でも簡単には決められないものである。患者がどのような生活や人生を望んでいるのかをきちんと聞き出し、それにふさわしい情報を提示することによって、初めて患者は後悔のない選択が行えるのだ、と認識することが大事である。(597字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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