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【小論文解答】:失敗から学び、自分の型を作る(2018年/岩手医科大学/医学部/本試験)

 自分なりに考えて失敗を積み重ね、その後に先人の成功の理由を理解し、それを自分なりに消化し、さらに自分の経験を積み重ねることが「自分の型」を作ることであって、そのために「より早く多くの失敗を積み重ね」ることが大事である、ということが筆者の言いたいことであると私は理解した。そして私はこの筆者の意見に大いに賛成である。
 「自分の型」をオリジナルで作れる人間はほとんどいない。数学の問題ひとつ解くにしても色々な人の試行錯誤の成果を用いてようやく解けるのであって、私も例外ではない。まして私が将来なろうとしている医師の世界は、そうした積み重ねが人の命に直結するような結果を生み出すことで人々の信頼を得てきたのであり、その意味で既存の方法に敬意を払い、真摯に学ぶことは私が「自分の型」を創り出すためにとても重要だと思う。
 しかし一方で、人の命に関わる医師の世界で「より早く多くの失敗を積み重ね」るとはどういうことなのかも考える必要がある。医療の世界での「失敗」は患者に多大な損害を与え場合によっては死に至らしめることがあるので、基本的に許されることではない。しかし学生の頃や研修の場であれば、患者に損害を与えないような状況で多くの失敗を重ね、そこから多くのものを得ることができる。自分の失敗を身に刻んでこそ、先人の方法の正しさも身に染みて分かる。「自分の型」はそうやって作るものなのだ、と私は考えた。(591字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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