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【小論文解答】:環境を調整してQOLを上げる(2019年/岩手医科大学/医学部/本試験)

 人間の生物学的な特性と環境の変化とのズレが病気をもたらすという筆者の考えは、私にとって非常に納得できるものであった。生物学的な特性を変えるのは非常に難しい以上、私たちは自己の人間としての生物学的な特性をきちんと理解した上で、環境の調整を行うことで健康の維持や向上を目指していくことが重要となるし、それを「予防医学」的なアプローチによって支えていくことが医師としての重要な役割となる、と私は考える。
 例えば本文にある血糖値の問題であれば、食物摂取量を減らすこと、食事内容を変えること、運動を行うことなどが「環境の調整」となるし、医師がそうした「環境の調整」の重要性を啓発し、様々なアドバイスをおこなうことが「予防医学」となる。他の生活習慣病に関しても、外部環境との因果関係は多分に認められる以上、こうした「予防医学的」的な支援は重要となる。しかし「環境の調整」はもう一つの面で「病気」と関係する。
 それは「環境が病気の軽快をもたらす」という面である。それを可能にするのは「在宅医療」である。病気の軽快のためには適切な治療や投薬だけでなく「環境」への配慮も必要である。住み慣れた家や親しい家族との時間がQOLの向上に貢献し、病気の苦痛や憂鬱を軽減し、病気の軽快をもたらす。そういう意味で「在宅医療」もまた病気を環境との関わりから捉え、心身の健康に貢献する重要な役割を持っているのだ、と私は考える。(593字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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