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【小論文解答】:2010年/産業医科大学/医学部/推薦試験

(問1)
 麻薬中毒とは、一度でも麻薬を使用した場合、もしそれが無くなった場合には不自由さや不安定さを感じるため、良くないと思っても続けざるを得なくなる依存状態のことを指すが、ケータイも一度それを使用したら、ケータイ無しでは片時もいられなくなり、もしそれが無くなった場合には不自由さや不安定さを感じるため、良くないと分かっていても続けざるを得ない、という点で、麻薬の依存構造と非常に似ていると筆者が考えたから。(199字)
(問2)
 確かに筆者の述べる通り、私たち若者はケータイ依存症と言える。他者といつでも連絡が取れる点で、ケータイはコミュニケーションの可能性を格段に広げたが、一方で常に他者との関係が密になり、他者の存在が自分の中で大きくなりすぎて、自己を見失いがちになっている。筆者がレストランで見かけたカップルは、デート中でも他者の突然の要求に応じなければ自己を維持できなくなっているという点で、まさしく依存的だと私も思う。
 しかし依存状態になっているのは若者だけではない。大人ものべつ幕なしで他者とケータイで喋っていることが多い。また昔であっても、ケータイがあったらその時代の人間は依存症になっていただろう。つまり若者であるかどうかを問わず、ケータイという新しい道具の登場が、これまでの人間関係の変化を要求しているのである。これからの試行錯誤を経て、私たちは必ず新たな形で適切な人間関係を再構築できる筈だ、と私は考える。(397字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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