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【小論文解答】:2010年/産業医科大学/医学部/本試験

 今日、「筋道の立ったことを相手にきちんと伝えること、それが文章だということ」が「国民の常識として確立して」いない、と私は考える。何故なら現在においても、私たちの大半はそうした文章を書くことがほとんどできないからである。例えば私たちは高校を卒業するまで、文章によって相手に何かをきちんと伝えるような機会をほとんど持たない。確かにメールなどの短い文章は良く書くが、それはあくまで「自分の思いを伝える」ことが目的なので、「筋道」といったことを意識して書くことはない。志望理由書なども、本当は「筋道」を考えて書かなければならないが、どのように書くと筋道が立つのかが分からず、つながりのない文章を列挙しておしまいにしてしまう。そして大人になると、そうした文章を書く機会はさらに減少し、文章の本質を理解するきっかけは失われるのである。
 筋道の立つ文章を書くためには、誰に向かって文章を書くのか、ということを明確に意識する必要があると私は思う。その上で、どのように書けば相手が良く理解してくれるのかを考えながら、「話す順番」を決めてゆくように「書く順番」を決めてゆくのが良いのである。他者が自分の文章を読んで、それによって利益を得るのだ、という意識を皆がしっかりと持って文章を書くようになれば、その時に「国民の常識」は確立するのだと思うし、同時に人が文章を読む、ということが価値ある作業になるのだ、と私は結論付ける。(593字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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