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【小論文解答】:オンラインと地域医療について

 オンライン診療は、今後の地域医療を支える重要な役割を果たすと私は考える。今後日本は超高齢化社会となり、後期高齢者の数が増加する。特に地方では病院までの距離が遠いため、自動車や交通機関を使って病院に行くことが困難となった高齢の患者に対して往診で対応する割合が増えると予想される。これに地方での医師不足という現状が重なることにより、多くの在宅患者に対応するためのオンライン診療の需要が高まると思われる。
 オンライン診療のメリットは数多い。例えば高齢の患者にとっては病院に行くことなく医師から健康状態を見守ってもらえるという大きなメリットがある。これは患者のみならず患者を支える家族をはじめとした人々にとっても心強いツールとなるだろう。また医師にとっては往診で移動するための時間を省略でき、その時間を使ってより多くの患者の診察ができるというメリットがある。加えて離島など医師が常駐できない、または極端に少ない場所でオンラインによって島民の健康を把握できるというメリットもある。よってオンラインは今後の地域医療の充実のために不可欠な手段として大いに活用すべきである。
 一方、オンライン医療はあくまで対面医療のサポートであり対面医療に取って代わるものではない、という認識も重要である。実際オンラインで得られる画像やデータだけでは把握できないこともあるだろうし、その見逃しが患者の疾患に悪影響を及ぼす可能性もある。またコミュニケーションにおいても十分なやり取りができず、直接対話によって得られる病気への手がかりを得られない可能性もある。信頼関係の基本は「直接会って話をする」ということにあり、それは医療においても例外ではない。そのため今後もまずは直接対面を維持するための医師不足の解消を目指しつつ、加えて地域の住民や高齢者の健康に貢献する手段のひとつとしてオンラインを活用することが望ましい、と私は考える。(795字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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