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【小論文解答】:セカンド・オピニオンとこれからの医療

 今後の医療は「患者の身体・精神を治療する」という観点からではなく「患者の人生を支える」という観点から行われるべきであると私は考える。治療の選択において患者は常に「当事者」という立場にある。例えば最初の医師の提案した治療法が客観的にはいかに合理的であっても、患者の「主観的な人生の選択」として受け入れたくないような状況は往々にして生じる。その際医師は患者を「医師の合理的な提案を受け入れない者」として不信感を持ったり突き放したりせずに「人生の当事者として苦しんでいる者」として捉え、共感の気持ちを持って受け入れなければならない。また医師自身も自己を「治療における絶対的主導者」と考えるのではなく「患者の人生のサポーター」であると考え、セカンド・オピニオンについても「患者の人生を支えるための医療的サポートの1つ」として積極的に認めることが患者からの「信用」につながる、と理解する必要があると私は考える。
 また医師の側だけでなく患者の側にも、医師と患者の関係を「主従関係」のように考える人もいるだろう。だから彼らは人生の当事者として医師に対して当然行使できるセカンド・オピニオンの権利を行使しようとしない場合もある。そうならないために、医師は医師と患者は対等な存在でありセカンド・オピニオンが患者の権利であることを積極的に患者に伝え、医師同士でもこの価値観を共有することが今後の医療では重要だと考える。(596字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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