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【小論文解答】:2021年/愛知医科大学/医学部/1月29日分

 人間は「助け合い」を形にするために「国」を持たなければならないと私は考える。人間は一人では生きられない。お互いに助け合い支え合いながら自分の人生と他人の人生に幸福を与える。「国」はそうした助け合いの仕組みを「行政」「福祉」「法」「経済流通」という形で明確にし、「国」に所属する人々の「安全・健康・金銭」を保障する。誰かが一方的に利益を享受するのではなく、「国」という約束事の中でみんなが幸せになれるようにお互いに努力をする。それを「義務」として「国」が課すことによって、結果として国全体の人々が幅広く利益を得られる。そうした仕組みの支えとして「国」が必要なのである。
 次に、「国」に所属しない人間は「無国籍者」で悪い人なのでしょうか、という質問に対して私は「無国籍者であるが悪い人ではない」と答える。「無国籍者」になる理由は様々であり、自分で望んだ場合もあれば、そうなることを余儀なくされた人もいるだろう。そのこと自体は善でも悪でもなく、ただの状態である。問題はそうした人びとを「国」がサポートするか否かであり、私は基本的には積極的にサポートすべきだと考える。「困った時にはお互い様」という言葉があるように、まず「国」の側から手を差し延べることで、無国籍者の抱える問題を解消し、人としての尊厳を維持することは大切である。その後に「無国籍者」が「国」を持ちたいかどうかを自分で決めればよい。私はそれでいいと考える。(598字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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