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【小論文解答】:2021年/日本医科大学/医学部/2月10日分

 私たちが自由に旅ができなくなることで失う可能性があるのは「予想外の事態に対処する能力」であると私は考える。どれほど計画的に準備していても、旅には予想外の事態が付きものである。何かを忘れたり、無くしたり、トラブルに巻き込まれたりして、何度も窮地に陥りながら、その度に試行錯誤して解決を目指し、何とか乗り越えていく。その積み重ねによって予想外の事態に対する耐性が生まれ、私たちは一回り成長するのである。
 予想外の事態とは自分の中に新しい経験と価値観を取り入れる好機である。それらが私たちに柔軟性と視野の広がりを与え、固定化された考えや先入観から私たちを解放する。旅が自由にできなくなることで私たちはこうした貴重な機会を失い、経験不足で視野の狭い状態を克服できなくなる恐れがある。そして未知の事柄に対して、一方的に決めつけたり対処の仕方を間違ったりして、自分のみならず他者にも迷惑をかけるかもしれない。
 医療人にとって、この「予想外の事態に対処する能力」は非常に重要である。一見同じように見えても患者の状況は様々であり、医師は細かな違いや変化、背後の問題に敏感に気づいて対処しなければならない。この能力の欠如は、患者の生命やQOLに深刻な被害をもたらす恐れがある。そうならないためにも、私は日常生活そのものを「旅」と考え、日々の問題にきちんと向き合って克服しながら、この大切な資質を養っていきたいと思う。(595字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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