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【小論文解答】:2007年/産業医科大学/医学部/本試験

 筆者は課題文の中で、国際人を作るためには初等教育で国語に時間を費やし、日本の歴史や伝統文化を習得させることが先決であり、初等教育で英語を学ばせるべきではない、と述べているが、私も筆者の意見に同意する。「国際人」とは、日本人としてのルーツをしっかり持っていて、諸外国の人々と政治的・経済的・文化的に対等に渡り合うことが出来る人間のことであると考えるなら、国際人を養成するためには、まず自己の芯となる歴史や文化をきちんと学ぶのが必要であることは間違いない。そうした教養を初等教育である程度しっかりと手に入れることができれば、自分が英語を学ぶことの意味もはっきりと自覚できるので、英語の習得も早いのではないかと考えることも出来る。ならば実のない英語をしゃべって外国で失笑を買うよりも、多くの本を読み、国語をしっかり行うことは有効となる。
 一方で、国語教育が「国際人の要請」に本当に直結する必要があるのか、という問題がある。日本に住む大半の子供たちは「国際人」ではなく「普通の人」として、この日本で生きてゆくことになる。子供がどんな風に生きてゆくのかを、初等教育の段階から教育する側が高めに設定することは、かえって子供たちの可能性を限定してしまうことにもなりうる。英語を楽しいと思う子供に早くから英語を教える、というのであれば、「普通の人」として英語を楽しんで学ぶ時間を初等教育に設けるのは良いのではないか、と私は結論付ける。(595字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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