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【小論文解答】:2018年/北里大学/医学部/本試験(2月4日分)

【問1】:患者とともに死と向き合うという医師の仕事(20字)

【問2】
 著者が医療のツークヴァンクにおいて重要と考えているのは、医師自身が諦めずに自分のできることを探し続け、患者とともに絶望に向かい合う、ということである。もはや積極的治療としてできることは何もないとしても、少しでも患者が前向きに生き続けられるような様々な方策を考え、実践していくことを「医師の役割」と考え、患者を死の淵で一人ぼっちにさせることなくともに最後まで歩み続けることが大事であると考えている。(198字)

【問3】
 患者が医療のツークヴァンクに陥った時に、私はまず患者の苦しみや悲しみをできるだけ共有できるように患者自身の声に耳を傾けたいと考える。医療が「患者の痛みや苦しみを和らげる」仕事であると考えるなら、たとえそれが積極的治療を通して実現できなくても、患者の言葉を受け止めるという形で実現できる可能性がある。本文に「慰める」という話がされているが、それが可能なのは「相手の思いを受け止める」というプロセスがあってこそであろう。患者の思いを受け止めることは、自分もまた事態の傍観者ではなく当事者として患者の絶望的な状況を共有するということを意味する。患者が諦めない限りは自分も諦めない。いや、患者が諦めても自分は諦めない。患者の人生を最後まで意味あるものにするためにできる限りのことをする。その姿勢を言葉や態度で示し続けることにより、患者もまた自分の人生を最後まで意味あるものにしようと思うのではないだろうか。
 医師は患者を一人の尊厳あるかけがえのない存在であると考え、最後までその存在と向き合うことを自分の仕事・使命と考えて、自分のやるべきことを模索していくことが大切なのだと私は思う。それを可能とするのは、患者の人生を支えるという強い責任感と、どんな困難にも折れない強い心であるだろう。私はこうした資質を養うために必要な努力を、大学で、そしてその後一生、惜しまずに積み上げていきたいと思う。(589字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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