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【小論文解答】:2021年/久留米大学/医学部/本試験

 コロナ禍における医療崩壊を防ぐために必要なことは4つあると私は考える。1つ目は「感染防止」のための啓発活動である。個人レベルではマスクの着用やうがい・手洗いの徹底、集団レベルではソーシャルディスタンスの確保や移動・交流の制限等を徹底することで他者からの感染や自己が感染源となることを防止するための自衛を促し、感染者数を増加させないように人々を積極的に啓発していくことが何よりも大事であると考える。
 2つ目は「感染症状の軽減」である。コロナウィルスの特性として、重篤化して死亡しやすい、軽症であっても後遺症が深刻かつ長期的に継続する、といったことが報告されている。ワクチン接種によって事前に抗体を形成することにより身体への深刻な影響が防止されることで、受け入れのための病床数の不足といった問題が軽減される。したがって可及的速やかに大多数の国民のワクチン接種を終えることは非常に重要だと思われる。
 3つ目は「病院以外の隔離施設の充実」である。現在感染者を隔離するための施設が不足しており、重症者、中等症を隔離・保護・治療するための病床や施設が不足している。結果として自宅療養に切り換えられた患者の死亡が度々報告されている。他者の目の届くところで継続的に経過が確認できるような施設を充実させ、医療機関との連絡体制を整えることで、病床の圧迫を軽減しつつ患者の重症化や死亡を防止することが必要である。
 4つ目は「治療薬の早期開発」である。コロナウィルスは新興ウィルスであり、現在絶え間なく変異を続けている。いったん終息を見せても変異ウィルスにより再び患者数が増加する、といったサイクルは当面継続するだろう。この変異パターンも含めた上での特性を研究し、症状を軽減し回復へと向かわせるための新薬を早期に開発することで、患者の長期的な病床の専有を防止し、治療プロセスの簡略化を目指していくことが重要である。(791字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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