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【小論文解答】:2021年/金沢医科大学/医学部/2月12日分

〔設問1〕
自然選択は病原体と宿主のそれぞれに対し「利己的」に働くが、ウィルスのように宿主の存在なしには生存できない病原体への選択圧は宿主の環境への適応度を高める方向に作用する。病原体の根絶は、過去に感染症に抵抗性を与えた遺伝子を淘汰に対して中立化するという意味で行き過ぎた適応である。「共生」に基づく適応は決して心地よくないし、相応のコストを必要とする。それでも共生は妥協の産物として模索されなくてはならない。(200字)
〔設問2〕
強毒HIV株は感染効率が高く、性的交流が活発な集団に対して「利己的」に働くことによって彼らを短期間で死に至らしめることになったが、それが宿主である人間の行動変化をもたらし、自身の存続が危機的になった。そこで潜伏期間を長期化させ感染効率や致死率を低下させるような弱毒HIVへと自身を変化させ、性的交流の程度に関わらず感染対象を拡大しつつ、長期的な共生関係を構築できるようにしたというのが図の理由である。(200字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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