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【小論文解答】:2019年/日本医科大学/医学部/2月8日分

 私にとって才能とは「他者が見つけてくれる自分の能力」のことである。私がもともと何らかの才能を持っていたとしても、それを自分自身の力だけで自覚し、確信し、育てることはできない。ただ一生懸命に、あるいは楽しそうに何かを行っている私の様子を見て、誰かが私の「能力」に気づき、その存在を私に指摘し、はじめて私が自覚する。こうして自他の間で認められた自分の能力のことを「才能」と呼んでいるのだと私は考える。
 こうした考えを踏まえて私が言いたいのは、自分で得意不得意を決めつけずに、目の前にあることを何でも一生懸命にやってみるべきだ、ということである。自分が苦手だとか嫌いだとか不得意だとか思っていることでも、一生懸命にやっていると誰かが自分の「才能」を見抜いてくれるかもしれない。そうして自分の知らない新たな才能を自覚できることは、自分の可能性を広げるとともに自分が他者に貢献できる可能性も広げるのである。
 私は将来医師になるつもりであるが、私には医師としてのどんな才能があるかは、まだ自分ではわからない。医師としての自分の才能を見つけてくれるのは、例えば医学部の先生であったり、友だちであったり、他の医療従事者であったり、患者であったりするだろう。自分のやるべきことを一生懸命に行い、他者が見出してくれた才能を大切にしながら磨きあげ、その能力を医療行為を通して人々に還元できるように努力していきたい。(593字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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